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2014.03.10

国内企業の「ソーシャルシフト」実態に関する調査

2014年3月10日
株式会社ループス・コミュニケーションズ

 

国内企業における「ソーシャルシフト」実態調査の結果について

〜“ミッションが明文化されていない”は約2割、
“自由に意見を言える組織風土ではない”は3割を超える〜

株式会社ループス・コミュニケーションズ(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:斉藤 徹)は、このたび、国内企業の「ソーシャルシフト(※注)」の実態を明らかにする調査を実施いたしました。

ソーシャルメディアの利用者は全世界で増加の一途をたどり、今日、人々の生活に欠かせないツールとして浸透しつつあります。ソーシャルメディアによって人々が互いにつながることは、わたしたちのビジネスを取り巻く環境にも劇的な変化をもたらしています。その結果として「人間同士の信頼関係」に基づいた経営革新が求められているのです。

ループス・コミュニケーションズでは、こうしたパラダイムシフトにおける企業の内面からの変革を「ソーシャルシフト」と呼び、企業がソーシャルシフトするための具体的なアクションを実施するために、5つのレイヤーに沿って、変革を起こしていくことを提案しています。

※ソーシャルシフトについて提起している内容の詳細は、斉藤 徹著『BEソーシャル! 社員と顧客に愛される5つのシフト』(日本経済新聞出版局)をご参照ください。

本調査では、国内のビジネスパーソン1,000名を調査対象とし、ソーシャルシフトに必要な20の構成要素をこの5つのレイヤーごとに洗い出した上で、それぞれの項目について選択形式で答えていただきました。

図1 ●レイヤーごとの調査項目
ソーシャルシフト実態調査_項目

調査概要

  • 調査対象:日本国内在住で20歳以上のビジネスパーソン(会社役員および正社員)
  • 調査方法:インターネット・アンケート
  • 調査期間:2013年11月29日〜12月2日
  • 有効回答数:1,000名
  • 回答者の属性:

[性別]男性:50%、女性:50%
[年代]20歳代:24.0%、30歳代:25.4%、40歳代:25.3%、50歳以上:25.4%
[所属組織の対象顧客]
どちらかといえば消費者向け(B2C):46.6%
どちらかといえば企業・官公庁向け(B2B):42.0%
消費者と企業・官公庁の両方(B2CおよびB2B):11.4%

調査結果詳細はこちら

図2 ●[ブランド哲学]の項目と回答(図のクリックで拡大)
レイヤー:ブランド哲学

[ブランド哲学]のレイヤーからは、5つの項目について回答していただきました。

まず、勤務先の組織トップの考え方についてたずねたところ、「業績を重視するが、企業理念も考慮する」とした回答者が最も多く、回答者全体の57.9%でした。
「全てにおいて業績を重んじる」とした回答者は27.4%でした。

会社の企業理念(ミッション)については、「企業理念が文章として発表されており、自分も内容を理解している」が最多で、回答者の約4割でした。「企業理念はあるが、自分は内容を理解していない」とする回答もほぼ同数でした。また、約2割の回答者が「企業理念はない」としています。

会社のビジョンについては、「文章として発表されており、自分も内容を理解している」比率が、企業理念よりやや少なく、33.9%でした。また、「ビジョンはない」とした回答も「企業理念はない」を上回り、25.4%でした。

会社の行動規範(コアバリュー、組織としての共通価値観)が「文章として発表されており、自分も内容を理解している」とする回答は、35.6%で最多でした。「行動規範はない」との回答は3割を超え、企業理念、ビジョンを上回っています。
「企業理念」「ビジョン」「行動規範」を「ある」とした回答者に、組織内で学ぶ機会の有無と評価対象になっているかをたずねました。最多の回答は、「学ぶ機会はあるが、個人評価の基準にはなっていない」で、42.7%でした。「学ぶ機会はない」とした回答が32.2%で続き、「学ぶ機会があり、個人評価の対象になっている」は24.8%でした。

 

図3 ●「社員協働メカニズム」の項目と回答(図のクリックで拡大)
レイヤー:社員協働メカニズム

続いて、[社員協働メカニズム]のレイヤーから、組織風土やコミュニケーションの実態についてたずねました。

組織風土について、「自由に意見を言える組織風土が定着している」とした回答は27.3%。「自由に意見を言える組織風土ではない」の31.0%を下回る結果でした。

社内のコミュニケーションは、「職位や部門に関係なく、コミュニケーションが活発で互いに親しみを感じている」回答者が21.6%だったのに対し、「活発ではない」とした回答者が3割を超えました。約半数の47.4%は、「限られた部門やチーム内ではコミュニケーションが活発である」と回答しています。

社内の情報共有については、「職位や部門に関係なく、業務上必要な情報が共有されている」が26.7%で、「共有されている情報が限定的で、業務の遂行に支障がある」の23.9%をわずかに上回りました。

職場で推奨されているマネジメントスタイルは、「リーダー個人にまかされている」が46.0%で最多、「部下と信頼を醸成し、チームの成長を促すリーダー像」が26.0%で続き、「部下を統制して、チーム目標を達成するリーダー像」は23.4%でした。

ワーク・ライフ・バランスの考え方については、「重視しているが、実現できている従業員は少ない」の回答が37.0%で最多でした。「ワーク・ライフ・バランスを重視する風土はない」の回答も34.8%あり、いずれも「従業員ひとりひとりについて企業全体で重視している」を上回りました。

その他の調査結果については、調査結果詳細をご覧ください。


ソーシャルシフトの実践に向けて

ループス・コミュニケーションズでは、今回実施した調査結果をもとに、企業のソーシャルシフトに向けた診断サービスを実施しています。本調査の全回答の平均値から偏差値によってスコアを算出、ベンチマークとしています。ベンチマークと自社のスコアを比較することで、それぞれの企業が直面している課題を明確化することが可能になります。

例として、従業員規模別にスコアを比較すると、10人未満の企業では、②会社のミッション、③会社のビジョン、④コアバリューなどブランド哲学の構成項目でスコアが低い一方、⑥会社の組織風土などはベンチマークであるスコア50を上回り、強みとなっています。一方、1,000人以上の企業では、ベンチマークを下回る項目は皆無ですが、⑥会社の組織風土、⑦社内のコミュニケーション、⑧社内の情報共有は他の項目と比較し、ややスコアが低く、改善の余地が見られます。

図4 ●ソーシャルシフト・スコア(従業員規模別)
スコア_従業員規模別

また、特定業種のスコアを比較すると、金融、証券、保険では、ほぼ全項目がベンチマークと同程度、もしくは大幅に上回っていますが、商社、流通、小売では、ベンチマークを超えるのは⑮顧客の声の活用、⑯社内外広報の実践に限定されています。

図5 ●ソーシャルシフト・スコア(一部業種)
スコア_一部業種

ソーシャルシフトの診断は、理解を深めていただくための講義と、ディスカッションおよびワークショップを通じて行います。詳細は以下よりお問い合わせください。

お問い合わせ

■調査の内容、ソーシャルシフト診断サービスに関するお問い合わせ
株式会社ループス・コミュニケーションズ
 担当 : 原田、鬼頭

■報道関係の方からのお問い合せ
株式会社ループス・コミュニケーションズ
 広報 : 伊藤

TEL:03-6483-0311 / FAX:03-6438-0920

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