株式会社ヤマハミュージックジャパン様

株式会社ヤマハミュージックジャパン様
株式会社ヤマハミュージックリテイリング様

組織風土をアップデートするためにhintゼミ+を導入

社会人がチームづくりと事業づくりを学ぶオンラインスクールhintゼミ。そのhintゼミのプログラムを企業向けにカスタマイズしたの がhintゼミ+(hintゼミプラス)です。

今回は、2022年8月からミドルマネジャー層に「hintゼミ+」を導入。1期3カ月で、すでに2期まで終了しているヤマハミュージックジャパン、ヤマハミュージックリテイリングの導入事例をご紹介します。(2023年3月時点)
前半では、なぜ「hintゼミ+」の導入を決めたのか、その学びの成果をどう見ているのかを2社の代表取締役社長(※1)を務める押木正人さん、そして「hintゼミ+」導入の立役者であるヤマハミュージックジャパンの事業改革担当主幹(※2)武田信次郎さんから。後半では、実際に受講したヤマハミュージックジャパンの安藤大祐さん、ヤマハジャパンリテイリングの伊藤瑞香さんにゼミの感想や自身の変化について伺います。

※1:所属・役職は取材当時。現ヤマハ 執行役 楽器・音響営業本部長
※2:所属・役職は取材当時。現ヤマハミュージックジャパン アカデミー推進・組織開発室長

左から
◯ヤマハミュージックジャパン LM営業部  ART  マネジャー 安藤大祐さん

◯ヤマハミュージックジャパン 事業改革担当主幹 武田信次郎さん
◯ヤマハミュージックジャパン ヤマハミュージックリテイリング 代表取締役社長 押木正人さん
◯ヤマハミュージックリテイリング ブランドショップ運営・企画部 銀座店 、管弦打営業部課長、管弦楽器リペアセンター センター長 伊藤瑞香さん

『だかぼく』への共感からゼミ形式の学びを

──まずは「hintゼミ+」について知ったきっかけについて教えていただけますか。
武田様:私は2022年4月から、ヤマハミュージックジャパン、ヤマハミュージックリテイリングの2社の組織風土改革を担当しています。今後新たに目指す組織像を検討しているときに『だから僕たちは、組織を変えていける』(斎藤徹・著、以下『だかぼく』)に出会いました。自分が考えていたことと共通点が多く、強く共感しました。「理想の組織とは?」と自問自答していましたが、その答えが出てきたような気がしましたね。
ループス経由で著者の斎藤さんにコンタクトを取ったところ、『たかぼく』の内容がゼミ形式で学べる「hintゼミ+」の存在を教えてもらいました。それで、ぜひこのゼミをわが社でも導入したいと、社長にも本を渡して相談しました。

ーー『だかぼく』では、特にどういう部分に共感をされたのでしょう。
武田様:組織風土改革のテーマのひとつとして「自走する組織」というのがありました。『だかぼく』にも学習する組織、共感する組織、そして自走する組織になるために必要な考え方や行動が書かれているのですが、それがまさに私自身が考えていたことと一致していました。
ただ、理想の組織のイメージがあっても、それを実現するにはどうしたらいいのか。それが最大の課題でした。それをゼミ形式で学べるのが「hintゼミ+」でした。

リーダークラスの悩みの解決にフォーカス

ーー押木社長は「hint+」の導入について、どのように考えていたのでしょうか。
押木様:中間管理職のリーダーたちは、会社が目指す理想と現実の現場のズレから、さまざまな困難に直面しています。そういうリーダーたちの悩みにフォーカスして、自走する組織のあり方を学び、マインドセットを変えてもらえたら。そんな期待から「hintゼミ+」の導入を決断しました。
受講対象のミドルマネジメント層にあたるリーダーは2社で、約160名。武田はリーダー層全員を対象にやりたいということでしたが、とりあえず1回やってみてから判断しようと。1期は2022年8月〜11月の3カ月で、部長クラスの37名が受講しました。
主要メンバーが長い時間職場を離れるのは厳しいところがあります。毎週2時間で1ターム3カ月という形式で、受講も参加しやすかったと思います。

ーー長期的なゼミ形式のスタイルについては、どんな印象がありましたか。

 

武田様:一般的な研修は1〜2日間缶詰になってスキルセットを学ぶものが主流です。「hintゼミ+」も一方的なインプットだけなら2日間に詰め込むことができると思います。でも、それではマインドセットを変えることは難しい。3カ月かけて学ぶということが、非常に重要だと感じました。
なお、実際に受講したリーダー層からの評判も上々です。受講後に実施したアンケートで
はNPS(※3)は1期は68、2期は69という驚くべき数値でした。
押木様:3カ月間、毎週チームで対話を重ねて考えを深めることで、自分で気づきを得られること。それは本当に「hintゼミ+」のすばらしい点ですね。
※3 NPS:Net Promoter Score

顧客のサービスに対する他者への推奨意向を知るための指標。NPSは「あなたはこの研修を友人や同僚に薦める可能性は、どのくらいありますか?」という質問を行い、0~10の11段階で評価をしてもらった結果を0~6と答えた人を批判者、7~8と答えた人を中立者、9~10と答えた人を推奨者として、推奨者の割合から批判者割合を引いた数値を言います。
Net Promoter®およびNPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標です。

ーーそもそも組織運営でどのような課題を抱えていて、「hint+」でどう変えていきたいと考えていたのでしょう。
押木様:我々は10年前に3社を統合してヤマハミュージックジャパンに、8社を統合してヤマハミュージックリテイリングとして生まれ変わりました。
それまで別々だった会社をまとめるには、共通ルールの枠を作り、その枠に従ってやるということが重要だったんです。しかし、その領域は脱し、また時代も変わり、今は一人ひとりが自走することが求められています。
とはいえ、長年、ルールや指示に従うことに慣れてしまうと、新しい発想が生まれても「それは難しいよね」とすぐにあきらめてしまうこともあると思います。急に自走しろといわれてもどうしていいかわからない、というのが本音でしょう。
会社の中核を担うミドルマネジャーのマインドセットを変えることで、自走する組織に変えていきたいというのが最大の狙いでした。

対話が増え、リーダー層の横のつながりも

ーー押木社長もオンラインで学んでいる様子を見たりしていたそうですが、どのような印象を持たれましたか。
押木様:全11回の6回目となる中間発表以降、ぐっとそれぞれの変化と成長が加速度的に増して、頼もしく感じましたね。この時点で、2期も継続しようと決断しました。
1期、2期を通じて感じるのは、いい変化が起きている部分もあれば、まだまだな点もあります。そこは一足飛びに変わるとは思っていませんし、組織風土の改革は長期的に続けていくものだと思っています。ただ、「対話」をするシーンは確実に増えているので、それが全社にもっと広がってほしいと期待しています。
武田様:会社である以上、マネジャーは数値目標を追いかけなければなりませんが、結果の質ではなく関係の質を起点にすること。そしてそれがヤマハグループの中計テーマでのひとつである「ともに働く仲間の活力最大化」に通じることに気づけたメンバーが多くいました。
まずは一歩を踏み出すこと。半径5mから変えていくことを意識できるようになったのが、非常に大きかったと思います。改革というと大きなことをイメージしがちですが、小さな変化を日々積み重ねていくこと。それこそが実現したい組織文化だと、改めて感じています。
もうひとつ、今回「hintゼミ+」をやったメリットとして感じているのが、2つの会社のメンバーが一緒に受講したことです。別々の会社、そして違う部門のリーダーたちが混じって深い対話をする機会はほとんどなかったので、組織という共通のテーマで話し合えたのは大きなプラスになったと思います。新しい発見や視野を広げるとともに、横のつながりを作る効果がありました。
ーー今後「hintゼミ+」に期待したいことや要望などはありますか。
押木様:やはり3カ月ではなかなか変われないので、そのフォローが重要です。今後、社内で行動を起こして挫折する人も出てくるでしょうし、もっといい会社にしていきたいと意欲に燃える人もいるでしょう。そういうメンバーのためにも、ゼミの第2弾的なものがあるといいですね。 ミドルマネジャーの160人が終わったら、次は管理職になる前の研修として「hintゼミ+」を受講するプログラムを導入したいとも考えています。あるべきマネジメントスタイルやリーダー像を学ぶことで、実際のマネジメントに活かしてもらいたいですね。
ーー最後に「hint+」で学びを得た組織のこれからの成長への期待について一言お願いいたします。
押木様:時間をかけることで「やさしいチーム」は作れるだろうと感じていますが、「やる気に満ちた」、つまり数字につながる部分をどう上げていくかも課題だと思っています。いいチームを作ることは、会社として業績を上げる手段であって、目的ではありません。そこはしっかりと見極めて、「やる気に満ちた」と「やさしい組織」を両立させていきたいですね。

【ゼミ受講者インタビュー】

ーー最初に「hintゼミ+」を受講するように言われたときは、どんな気持ちでしたか

安藤様:受講前に『だかぼく』を読んで、それまで自分は「周りを変えようとしていた」ことに気づくことができました。そうではなく、「まずは自分が変わるんだ」ということに、なるほど、と。それが具体的に学べることへの期待がありました。

伊藤様:私は、2年前まで卸売のチームにいたんです。そこでは数字の目標達成こそが最重要で、いわゆるミッションドリブンの「統制された組織」でした。そこからブランドショップ運営部門に異動し、売上だけではなくブランド体験の提供によるブランド価値の向上を担うことになりました。
一方で、自分は数字を追いかけることが仕事だと思ってきたので、新しい職場で何を目標にどう進んでいいのか戸惑っていたというのが本音です。
そういう中で、自分がこうあってほしいと思うメンバー像をほかのメンバーに押し付けて考えてしまうところにも課題を感じていました。
ーーおふたりとも、「hintゼミ+」を受講する前からすでに意識レベルが高く、課題感も感じていたということですね。
伊藤様:課題感はあるし、それがなぜ生まれるのかという原因は『だかぼく』を読むとある程度理解できるのですが、それをどう解決していけばいいのかが、わからない。
自分たちがどうなりたいのか、チームでもしっかりビジョン、北極星を持っていることがすごく大事になるのだろう、というのは感じていました。
ーー受講されてみて、実際の感想はいかがでしたか?
安藤様:最初はみんなぎこちなかったんですが、徐々に自分からどんどん発言するようになって、そこが一番の変化だったなと思います。ゼミの対話で、「心理的安全性とはこのことか」と実感することができました。
伊藤様:グループで対話することで、「多様な考え方があって当然」ということに改めて気づかされました。課題や悩みを話していると、共感や気づきが生まれるのがすごくよかったです。
後半に向けて、学びがどんどん楽しくなっていくのを自分でも実感しました。

安藤様:自分自身の変化としては、現場でも「対話」をすごく意識して取り組むようになりました。特に相手の話を聴く姿勢を大事にするようになりましたね。そうすると、相手から声をかけてもらえたり、気軽に相談してくれることが増えてきて、それがうれしいですね。

意識や組織を変えるのは、時間がかかることです。一度に全部やろうとせず、まずは対話を大事にする。まずは、それをコツコツとやっていこうと思っています。
伊藤様:私は、「あなたは」というYouメッセージではなく、「私は」というIメッセージ での対話を心がけるようになりましたね。
ーー動画を観てレポートを書き、週1で2時間のディスカッションというスタイルはいかがでしたか。
伊藤様:大変という感覚はありませんでしたね。自分に課題感が強くあったので、学びたいという気持ちのほうが勝っていて、動画も繰り返し観て理解するようにしていました。
安藤様:動画は1回で腹落ちすることもあれば、いまいち理解ができないこともありますよね。そういうときも、自分の好きなペースで動画を観直せるのがよかったです。
私のゼミクラスは9人で、毎回2チームに分かれて対話するのですが、週によってメンバーが入れ替わるので、いろいろな人と対話できるのが楽しみでした。
共感や気づきが回を重ねるごとにどんどん増えていったので、本当によい学びになったと思います。
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